この『月々雑感』も6年目を迎えました。
ホームページにご訪問いただいた方に少しでも役立つような記事を綴っていけたらと思っています。月に数度の更新ですがちょくちょく覗いていただければ幸いです。
月々雑感
セミプロ
辞典によれば、セミプロとは本職ではないが,技芸などが本職に準ずるもの。
だそうです。
ここ数年、お伺いした先のお客様は、全員が全員とは申しませんがほとんどの方が大なり小なり塗装について勉強されています。情報は全てインターネットですが、中にはプロ顔負けの知識をお持ちの方もおられ、こうなると、もはやセミプロの域です。あまりの知識ぶりにコチラ側がビックリしてしまいます。
一般のお客様へ直接施工していない塗装屋さんと比べてみても知識という点だけなら負けないのではないでしょうか。
自分自身、ホームページ開設当初から【依頼する側はある程度の情報を持っておくべき】と常々そう書いてきました。そうする事によって塗装リフォームで失敗する確率が減るからです。それはそれでいい傾向だと思います。
ただ、言葉は悪いですが中途半端な知識を持つと、時に逆効果になる事もあります。
先日、御見積り依頼でお伺いした時の事です。お家の屋根に上ってみると、屋根の塗装が剥がれていました。お客様は『施工した塗装業者の塗り方がよくない。』とおっしゃっていましたがよくよく話をお伺いすると、その剥がれた塗料はお客様ご自身が指定した塗料とのこと。
元々は違う塗料を、塗装屋さんが提案したらしいのですが、どうもその提案にお客様は納得がいかず『屋根の塗装はコッチの塗料でしてください』との要望で、ある塗料に変更したみたいです。
そのある塗料とはネームバリューはありますが、屋根の塗装で数々の不具合が発生していて、塗装屋の中では使えない塗料として有名なもの。
おそらく、その塗装屋さんも知っていたはず、ではありますが受注したいがために断れなかったのでしょう。結果論にはなりますが、当初提案していた塗装仕様であれば、そのような不具合が起きていない可能性だってあるはずです。
また、これは他府県の方からのご相談でしたが、塗料も勉強した、シーリング材も勉強した、なのに工事が完了した後に不具合が発生したというもの。これなんかは塗料とシーリング材の相性があまりよくなかった。という結論でしたが、色んなホームページを見ると頭がこんがらがってしまい余計な情報まで仕入れてしまいます。
いずれにしましても過剰なくらい知識を詰め込むのは良くない、と最近はそう感じている次第です。
そういった経緯から塗装仕様などでお悩みの方は、弊社の施工エリア内外・依頼の有無に関わらずお答えしていきたいと思います。
nagahama@eiken-kohgyo.jp までご連絡ください。
(写真・エクセル等の添付が可能です。)
※出来るだけ具体的に書いて頂いた方がお答えしやすいです。
※あくまで私(永濱)の考え方になりますので、それが正しい。といったものではありません。また、実際に現場調査していないものを推察でお答えする部分がありますので、そのあたりはご了承ください。
ファインパーフェクトシーラー
普段、新商品の紹介はあまりしませんが(興味のある人が少ないと思われ・・・)この塗料に関して言えば知っておいた方がいいのでご紹介致します。日本ペイントからこの6月16日に発売されたファインパーフェクトシーラーです。
正式な名称は
【弱溶剤2液高付着浸透形ハイブリッドエポキシシーラー】になります。名前からしてなんとなく凄そうなのは分かっていただけたかと思います。<おいおい
先日書いた記事がボツになってしまうかもしれないこの塗料。
先日書いた記事 ⇒ 塗装できないサイディング
要はですが、サイディングの種類のなかでも【難付着性サイディング】というものがあって、それらは塗装しても密着しにくい。塗ったとしてもすぐに剥がれてしまう。ですので気をつけてくださいよ。という内容の記事を書きました。
それから一か月もしないうちに登場したのが今回の下塗り材ファインパーフェクトシーラーです。
今までは、光触媒コーティングや無機コーティングが施されたサイディングボードの場合、密着性に難有りと判断され塗装が出来ないとあきらめていました。(しなくていいぐらいの外壁もたくさんありましたが)ですが、これからはこの下塗り材を塗ることによって塗装が可能になります。
このあたりは例外もあると思われるので、慎重に慎重に、事前の試験施工をお薦めしますが、今までこんな商品がなかった事を思えば画期的な下塗り材です。
これで、『今まで塗装は出来ない。』と諦めていた方にとっても選択の幅が広がるのではないでしょうか。
本日わざわざ日本ペイントの営業さんがこのファインパーフェクトトップの資料を持って来ていただきました。これ以外にも、あんな話やこんな話など話せない内容ばかりですが、ただただ思ったのは日本ペイントさんの技術力、おそるべしです。色々お話しを伺って感謝です。ありがとうございました。
職人に負けた日
事務所を移転して、2週間が経ちました。看板も未だ作成中ですので、一見の方が入ってくる事はありませんが、初めてのお客様はF様の奥様でした。
先日工事が完了したばかりで、わざわざ工事代金を持って来て下さったのです。初めてなのでちょっと焦りました(笑)
その際、奥様からお聞きしたのは、工事期間中、Fさんのお子さん(小学低学年)がウチの職人に大変懐(なつ)いたとのこと。
工事の最終日にはウチの職人に「また、遊びに来てな」と何回も言っていたらしく、工事が完了してからもピンポーンと家のチャイムが鳴れば「お兄ちゃん来たんちゃう?」とお母さんに言ってたのだとか。
う~ん、なかなかやるな(笑)
まぁ普段褒める事は滅多にありませんが、小さいお子さんの心をそこまで惹きつけるとは・・・・自分は負けましたね。そんなこと言われた事がない(笑)
彼は事情で我が子に会えない身だけに、自分の子とダブって心から接したのかもしれません。今回の事は別にしても最近、お客さまから褒められることが多くなってきました。
当たり前のことですが、いい職人がいなければいい工事など到底無理です。そういう意味では自画自賛になってしまいますが、いい職人に恵まれています。
さて、話は変わるのですが、フルサワ画伯にウチの事務所の地図を作ってもらいました。地元の人しか分からないかもしれませんが、これがなかなか上手く出来てます。特徴をよくとらえており、来たこともない土地の事をよく描けましたね。フルサワさん。
お越しになられる場合は、自分自身現場の調査に行っている事も多く、いつでもどうぞ。とは言えませんがお電話をいただけたら出来るだけ居るように致しますのでお気軽にお越しください。
決定的瞬間!
以前に、当初は5月末からの工事着工でしたがツバメが巣を作った為、着工日を順延にしたお家の事を書きました。
その後、現在どんな感じになっているのか?
本日見に行ってまいりました。
前回の記事⇒ 工事延期?!
3週間ぶりにご訪問しましたが、まだ巣立ってはいません。
お客さまによると
『 ヒナ鳥も随分大きくなっているので、
あと一週間もすれば巣立つのではないか。』との事。
ほ~そんなもんですか。
と聞いたその瞬間、
バタッバタッと音をたてながら親鳥が帰ってきました。
するとヒナ鳥が一斉に顔をだしてピーピー鳴きながら口を開けます。親鳥は餌をヒナ鳥の口に入れるとすぐに飛び去っていきました。
ほんの数秒の出来事でしたが普段見る事のない光景ですので
微笑ましくて、なかなか感動的です。
そこでなぜかよく分かりませんが
あの光景を撮影したい衝動に駆られました(笑)
お客さま曰く
5分も経てば親鳥はまた戻って来るとの事。
そこから、お客さまは親鳥が帰って来たら掛け声をかけてくれる係。自分はその瞬間に動画ボタンを押す係(笑)
お客様の『ほれ今や!』
との掛け声に反応して録画ボタンを押すのですが、これが難しくてなかなかタイミングが合いません。これはカメラの性能なのかも知れませんが、どうも押してから数秒のロスがあり、【よし!これで完璧】と思っていても再生してみると綺麗に録れていないのです。
打ち合わせに来たのに
『何をしてるんだろう?』という疑問も脳裏をかすめますが(笑)
けっこう意地になってきて、7.8回くらい挑戦したでしょうか。
それでも上手く撮影出来ません。
次の打ち合わせがあるので
諦めようとしたその時、、、、、、、
ベストショットで撮影が成功しました。
13秒後に親鳥が餌をやりに帰ってきます。
ご覧ください。
滞在時間1時間。ツバメの撮影に55分かかって
色の打ち合わせ、工事着工日の話は5分で終わりました(笑)
屋上防水の不具合
時節柄、防水工事のご相談が増えてきました。
他府県の一般の方々、ごくまれに同業者さんからもかかってきます。今日もかかってきました。内容は、そのほとんどが施工後の不具合についてのものです。
特に多いのが
『施工後、防水層が浮いてきた。』
というものです。 フクレですね。
弊社は塗装と防水をやっているので分かるのですが、防水工事ほど下地に左右される工事はないのではないでしょうか。
なぜ浮いてきたか?と言うと、単純に密着工法で仕上げているからです。
狭いベランダや傷みの少ない下地であれば密着工法でも大丈夫ですが、ひかくてき築年数が経ってる建物の屋上など、広い面積に施工する場合に関して言えば、通気工法で仕上げなければなりません。
多くの場合、保護モルタル層の下に入ってる残留水分が、夏場の日差しによって温められ出ていこう、出ていこうとし膨れにつながる訳です。ですので冬場に施工して、夏に膨れだす。このパターンはよくあります。
たまに、インターネットを熟読した一般の方から『脱気筒(だっきとう)を付けていないから膨れたんですよね?』と聞かれる事がありますが、脱気筒は通気工法で威力を発揮するものであって、密着工法では一部分の面積にしか機能を発揮しません。
こちらは最近完成した防水工事の現場です。
上の写真はマンションの屋上で塩ビシート機械式固定工法、
下の写真は戸建て住宅でウレタン防水通気緩衝工法です。
上記の現場二つはそれぞれ工法も違いますが、共通点としまして下地と防水層の間に通気層を設けている防水の工法になります。
通気層を設けているからこそ、膨れが起きない、また揺れに強い工法ですので、割れが起きにくい。と施工業者、御施主様の両者がwinwinになる安心の工法だと言えます。
但し、欠点がないかと言えばそうではありません。
通気工法は施工費が高くなります。
感覚的に言うと、倍近くの価格になります。
偉そうなことを書いていますが、これに関しては自分自身苦い思い出があります。
かなり昔の話ですが、あるリフォーム屋さんの依頼でハイツの屋上を防水工事した時の事です。
元々は通気工法を提案していたのですが、担当者の方曰く、
『工事金額が高すぎる。なんとかなりませんか?』という話になり
『密着工法なら安くなりますよ。但し夏場に防水層が膨れる可能性がありますが・・・』と断りを入れ、密着工法で施工してしまったのです。
工事は無事完成しました。が、その年の夏に案の定、防水層が膨れ始めました。その時に打ち合わせをした担当者さんは既に退社しており、変わった担当者の方と話が通じず怒られるしかありませんでした。(そもそも提案したウチに全責任がありますが)
いずれにしましても、防水工事はそこに合った工法を提案すること。これは大事です。
安い工法であっても、 お金を払う方からすればキッチリした施工を望んでいる場合が多いですから、何か不具合が起きると怒るのは当たり前の事です。防水工事に関して言えば、それ以来予算に応じた施工というのは辞めにしました。
このあたりの防水工事に関しては、詳しくご説明をしたいので別サイトへ移行していきたいと思います。まだまだスカスカの中身がないサイトですが(笑)少しづつじっくりと育てていきますのでよろしければご覧ください。
防水工事専門サイト