タイミングを逃がすと・・・
いきなりですが塗装工事は万能ではありません。
どういう事かと言いますと 建築物の下地が一定以上の傷みを超えると塗装工事だけでは 対応できなくなってしまうという事です。
脅し文句のようで抵抗感がありますが、続けて言いますと それはお家を建ててから何年以内に塗り替えをしなければ・・・という漠然としたものでもなく 不具合の偶然が重なると早い時期に起こります。
屋根塗装+雨漏りの点検で【築25年 2F建て】のお家へ訪問しました。
当初、屋根塗装だけの依頼でしたが 、ちょうどその頃、物入れを開け雨漏りを発見されたそうです。
屋根塗装をしながらの雨漏り点検になります。
▼2F建ての2F部分の物入れです。
ベニヤ板を触ると柔らかくなっていて力を入れると穴が開きそうです。
物入れ場所というのは普段開ける事が少ない場合はどうしても気づくのがおそくなりその結果中段あたりではカビが生えてます。
▼さっそく2Fの屋根に登らしてもらいました。
瓦棒と呼ばれるトタン屋根ですがサビの発生が激しいです。
ちょうど〇で囲んだ下が先程の押入れあたりになります。
▼近づいてみると 〇で囲んだあたりは土によりドレン廻りが詰まっていました。
通常、半円形の樋の場合はゴミが詰まっても雨水が外にあふれ出すだけですが、こういう構造の屋根の場合は注意が必要ですね。
▼白い線より下は極端にトタンの腐食が激しく雨水がたまっていたということが分かります。
どういうことかと言うと、ドレンに土が詰まっていることにより雨が降ると水たまり状態になっていたと思われます。
▼水ハケを良くするためゴミを取り除き掃除をします。
すると雨漏りの原因が分かりました。
▼やはりトタンに切れ目が入ってます。
そうそう自然現象で切れるものではないですが、やはり水たまり状態では鉄であるトタンはもちません。
この時点で写真を見せながらお客様に説明しました。
・切れ目の入ってる箇所周辺は劣化が激しく、おそらく裏面までサビがまわっている事。 ・シール+塗装で雨漏り処理をした場合、この下地であれば数年しか持たないであろう事。 ・最善である板金工事をした場合での見積り。 |
検討していただいた結果 、お客様の希望は、なるべく予算を懸けたくないのでこのまま塗装工事で処理をして雨漏りを止めるという事になりました。
ひき続き
▼エポキシ系のサビ止めを塗りその上から変性シリコーンを打ちました。
▼最後に弱溶剤のウレタンを2回塗り完成です。
目的であった『雨漏りの止水』という問題は予算内でクリヤできましたので、そうそうゴミが詰まる事もないでしょう。
ただ、塗装店の立場で言うと やはり塗料の性能が一番発揮できる時期に今回の工事をさせて頂きたかったというのが本音でして、そうすればトタンの亀裂は防ぐ事ができたでしょうし、耐久性も違うと思われます。
このページの最初に書いた様に『塗装工事は万能ではない』とはこういう事なんです。早すぎても遅すぎてもダメでしてベストなタイミングでの塗り替えが屋根を長生きさせます。