『外壁塗装っていつがいいの?』
お客様から尋ねられることの多い質問です。
結論から先にお話ししますと大阪にお住まいの場合、
屋根・外壁塗装は1年を通して問題なく施工できます。少し補足すると、
各塗料メーカーが公表している【塗装ができる条件】は概ね湿度90%以下、気温5℃以上となっており、この条件下で塗装するかぎりは問題がないということです。 塗料が乾燥して塗膜となるわけですから、塗装と天候は密接な関係があります。
四季による気温・湿度。また留意点をまとめてみました。
春の屋根・外壁塗装 3月・4月・5月気温・湿度・知っておきたいポイント
平均温度 | 3ヶ月平均温度 | 湿度 | 3ヶ月平均湿度 | |
3月 | 9.9℃ |
14.8℃ |
61% |
58% |
4月 | 14.8℃ | 55% | ||
5月 | 19.8℃ | 60% |
天候も安定しているせいかお問合せを多く頂きます。3月前半は肌寒い日もありますが概ね作業性もいい季節です。
【知っておきたいポイント】
これは春に限らず1年を通して言える事ですが、塗装において重要なのが塗り重ねの乾燥時間です。
下塗りを塗って、中塗り、上塗りと作業工程を進めるのは一般の方でもご存知でしょう。ところが、
一例ですが、ある塗料には乾燥時間として【気温が23℃の場合は4時間】と書かれています。つまり下塗りを塗ってから4時間おいてからでないと上から塗り重ねが出来ないということです。
中には16時間以上乾燥しなければ次の工程にいけないのもあり塗料によって様々です。ベテランの職人さんでも錯覚しやすくこのあたりは注意が必要です。
夏の屋根・外壁塗装 6月・7月・8月気温・湿度・知っておきたいポイント
平均温度 | 3ヶ月平均温度 | 湿度 | 3ヶ月平均湿度 | |
6月 | 23.9℃ |
26.5℃ |
69% |
71% |
7月 | 27.8℃ | 70% | ||
8月 | 27.8℃ | 74% |
工程については手順をしっかり守り施工すれば全く問題はありません。
梅雨が終わると、夏が始まります。とうぜんながら気温が上がりますので塗料の乾燥がひじょうに早いです。早すぎるくらいです(笑)
作業の際、意識する事は、2液性の塗料であれば硬化が通常より早くなりますので少量づつ作ること。外壁を塗る場合にローラーの継ぎが出やすいことでしょうか。いきなりの夕立も多い時期ですので、屋根塗装の際は天候の移り変わりを意識しなければなりません。スマホで雨雲レーダーを確認しながらの作業になります。予想が外れる事も多いですが(笑)
【知っておきたいポイント】
夏場によくあるご質問ですが、クーラーは普通に使えます。使えるのですが、外壁塗装工事は開口部である窓を汚れないように全てナイロン養生します。そのため換気で窓を開けておきたい箇所は事前に業者さんへ要望することをお薦めします。
秋の屋根・外壁塗装 9月・10月・11月 気温・湿度・知っておきたいポイント
平均温度 | 3ヶ月平均温度 | 湿度 | 3ヶ月平均湿度 | |
9月 | 24.0℃ |
19.2℃ |
65% |
65% |
10月 | 19.5℃ | 66% | ||
11月 | 14.2℃ | 65% |
その期間を作業中止になる場合が多いですので梅雨同様に工期が延びる事になります。
【知っておきたいポイント】
天候とは直接関係のないお話しですが、先ほどもお話ししました通り、この時期はお問合せが集中します。
特に弊社などの施工店であれば月に出来る軒数が決まっていますので、せっかくお声掛け頂いたにも関わらずご希望の時期に工事着工が出来ない事があります。初夏頃の早い段階から塗り替え計画を立てられるとスムーズです。
冬の屋根・外壁塗装 12月・1月・2月 気温・湿度・知っておきたいポイント
平均温度 | 3ヶ月平均温度 | 湿度 | 3ヶ月平均湿度 | |
12月 | 6.8℃ |
6.1℃ |
62% |
62% |
1月 | 5.9℃ | 62% | ||
2月 | 5.8℃ | 63% |
一年を通して一番気温が下がる時期です。ですので塗料の乾燥を通常より遅くなります。ただ空気は乾燥していますので1日1工程でいけば塗膜品質に問題はありません。過去において気温の低下が原因で不具合になったこともありません。
【知っておきたいポイント】
外壁塗料の種類によっては施工可能条件が気温5℃以上だとしても、この時期にはむいていない塗料もあります。
また、屋根塗装の施工時間は10:00~14:00くらいの間がベストです。というのもこの時期は夜露が降りやすく、14:00以降に塗った塗膜は乾燥するまでに夜露が降りてしまうのでボケ(艶がない状態)やすくなります。
*****************************************
四季を通じての状況を綴ってみました。書きながら気になったのは日中の気温が5℃以下になれば塗装不可なのか?と言うことです。
というのも、北海道や東北などの寒冷地では真冬の気温が5℃以下になります。その期間、そこに住む塗装屋さんは一切作業が出来ないのか?といえばそうではなく工夫しながら工事を進めていると聞いたことがあるからです。
それが気になって、日本で一番厳しい環境である北海道で塗装業をしているお友達に直接聞いてみました。
寒冷地の屋根・外壁塗装事情は?
事情があるのでしょうがあれはダメですね。例外として店舗や入居が決まった中古住宅、また工期が限られている物件をやる事もあるますが稀なケースです。
ちなみに凍って乾くのを、北海道では凍れ乾きと言いますが、塗膜に細かくヒビが入ってしまいます。もちろん塗り直しになるので最初から溶剤塗料を使います。
(もちろんメーカーはダメと記載してますが)
ただ5℃以下の作業で不具合が考えられるのは外壁や屋根、塗る物に付着している霜や薄い氷(足場に跳ねた雨だれ、雪が溶けて外壁などに付着)が透明で薄く付いてると見つけづらいです。
夜雪降って屋根に積もる
↓
日中溶けて雨だれで落ちる
↓
雨だれが足場に跳ねて水滴が外壁に付着
↓
夜には氷りになる
↓
次の日寒いと溶けない
↓
その上に知らずに塗ってしまう
↓
春先暖かくなると溶ける
↓
膨れ剥がれが発生!
こんな感じですかね。
初耳の話もありなかなか興味深い話でした。
私どもを含め比較的、気温が安定している地域の塗装業者が溶剤(油性)塗料を使うのは耐候性、もしくは既存下地との相性を考えて選択する場合が多いですが、寒冷地になると1にも2にも乾燥重視で選ぶということですね。
それにしても恵まれた環境で仕事をしているとつくづく感じました。
屋根・外壁塗装にむいている時期 まとめ
いかがでしたでしょうか。自分自身、近畿圏でしか塗装工事をしたことがないので他の地域の事は分からないのですが、塗装工事は正しい知識・一定のルールを理解していれば一年中行えるという事です。
天候の影響で塗装工事に問題が起きるとしたら、それは人為的な問題の場合が多いです。明け方まで雨が降っていたにも関わらず、朝から屋根の塗装をしたら当然何か起きる可能性があります。それは施工側の問題であり天候とは関係ありません。
いずれにしましても、品質を重視した施工を心がけ御引渡しをする。これは志の高い塗装店なら日本全国どこであっても共通の思いです。
いい塗装工事をするには、念には念を入れて・・安心を確保しながら・・となり、それに伴い工期が延びる事になります。
ご迷惑をお掛けしている事は重々承知の上で言うのですが、そのあたりをご理解いただけるお施主様が前提となることを付け加えさせて頂きます。