スタッコ、リシンが浮いている原因とは
スタッコという吹付けをした外壁ですが、築15年経ちました。
全く痛みもなく問題がないように見えますが、1社の塗り替えの業者さんの方からスタッコがほとんど浮いていると言われました。ハウスメーカーで建てた家ですが、新築施工時に問題があったのでしょうか?
結論から言うと問題があったのだと思います。
モルタル外壁の場合、今回のスタッコに限らずリシンでもたまに起こる現象です。
見た目は全く問題なしで浮き箇所もなく、塗膜の密着も良好に見えますが、高圧洗浄をかけたとたんにモルタルからスタッコ(リシン)の塗膜がポロポロ取れていきます。
これは単にモルタルとスタッコ(リシン)が密着していないため起こる現象で、原因は
①新築の施工時にシーラーを塗っていなかった。
②新築の際に使ったモルタルがサクサクの軽量モルタルでシーラーは塗ったにも関わらず効かなかった。
この2点が考えられます。
まず、①のシーラーを塗っていなかった。について。
リシン、スタッコは吹き付けで仕上げるものになります。
今は新築をほとんどしませんので知りませんが、昔はこのリシン、スタッコを施工する際、下塗りのシーラーを入れない業者さんはよくいました。
シーラーを入れなくてもモルタルとの相性からか、早々に浮きや剥がれが起こることがなかったせいと考えられます。
遠因には、新築時はどうしても、キッチンや浴室など内部の水回り、あるいは内装に重点を置く場合が多く、外部にまで予算をかけないケースが多くあるからでしょう。
必然的に外部は安ければ安いほどよく、シーラーの1工程減らす分予算はうきます。そのような背景があったのではと推測します。
②サクサクの軽量モルタルの上なのでシーラーが効かなかった。についてです。
一時期、強度がなく乾いてもサクサク状態の軽量モルタルが新築でよく使われていました。指で強くこすると削れてしまうようなモルタルです。
吸い込みも激しいモルタルでしたので、シーラーを一度塗ったくらいでは、吸い込んでしまい、シーラーを塗る意味がないような下地でした。
このような上からスタッコを吹き付けた場合、数年はもちますが10年を超えたあたりから浮いてくるのは当然と言えば当然です。
以上のような理由で、今回スタッコが浮いていると考えられます。
いずれにしましても、そのまま塗装することはできません。
対策としては、浮いているスタッコを剥がすだけ剥がして、強化シーラーを塗布、その後カチオンで補修、もしくは全体の70%が剥がれている場合には、全面剥離してから全体を左官した方がいいでしょう。
その後に通常の塗装工程となります。
通常の塗り替えに比べ、どうしても下地工程で費用がかかってきますが、そのまま上から塗られるよりはよかったと思います。
以上になります。
また分からないことがありましたらご相談ください。