朝晩が冷え込むようになりました。
最近、火災保険を利用した外壁塗装を提案する企業が多いようです。
本当に台風等で被害にあわれた場合は火災保険を利用するのは当然なのですが、
その保険制度を利用し、高額な外壁塗装を提案する営業が多いと聞きます。
この間、外壁塗装と屋根塗装の下見にお伺いした時のお話です。
「火災保険を使うので、見てほしい」
と言われました。
家の外周をぐるりと回り、マジマジと見ましたが、特に破損した様子もない・・・
「特に破損した所も見当たらないのですが、どちらですか?」
と尋ね案内してもらうと、サッシに少し凹みがある。凹みといっても、1センチほど・・・
「これは台風等で被害をうけた部分ですか?」
とたずねると、
「先に来ていた塗装業者さんが火災保険が使えるからと言われて・・・」
と外壁塗装の業者さんに提案されたとお聞きしました。
確かに、台風で何か飛んできてサッシが破損したというのは考えられます。
「他にはありますか?」とお聞きすると
「ここと、ここと、ここと・・・」数カ所の部分の壁のクラックや雨樋の歪みなどを見ました。
そして、その業者さんが撮った沢山の写真を見せてもらいました。
勿論、このサッシの凹みが台風等の被害であれば、この小さな傷をみつけ、火災保険を提案した業者さんはとても親切な業者さんです。
ただ、このサッシの凹み、屋根瓦の剥がれ以外は、私には経年劣化によるものであるようにしかみえません。
その外壁塗装会社さんが作成した、保険会社さんに提出する見積りをみせてもらいましたが、法外な金額になっていました。
「施主様がご要望でしたら、被害部分の見積りは作成しますが、あくまで台風による被害と思われる部分のみになります。
こんな高額な金額にはなりませんがよろしいでしょうか」
とお伝えして見積りを作成する事になりました。
この施主様は高額な保険見積りを提示した業者ではなく、弊社と外壁塗装、被害カ所の修理のご契約をして頂きました。
誠に有難うございます。
数日後、保険会社が依頼する鑑定士さんからお電話を頂きました。
「○○邸の見積りですが、サッシはタッチアップではダメなんですか!?」
「これ本当に台風の被害ですか!?」
なんか少しキツイ高圧的な話方です。
「施主様に台風の被害だとお聞きしてお見積りしたのですが・・」
と答えると
「あなたから台風で被害を受けてると提案したんですよね!?」
と言われました。事情をすべて説明すると、
「そうなんですかー。失礼しました。実は最近、大阪は業者からの提案の火災保険がすごく多くて・・・
なんでもかんでも火災保険でと高額な見積りが来るので厳しくなってきてまして・・・」
と少し高圧的な態度も改めて頂けました。そして、誤解も解け、キチンと審査して頂ける事になりました。
この高額な保険見積りを作成した外壁塗装業者さんは最近よく聞く大きな塗装会社です。
この商法は会社の指示なのか、個人的に使っているのかわかりませんが、常套手段になっていると耳にします。
こういった商法を使うのには背景があります。
それは2018年に大阪に多大な被害をもたらした台風21号です。
もう2年が経ちますが、未だ修理できていない家も多いと聞きます。
この21号のあと、あまりの被害の多さに鑑定士が実際に見に行く事が出来ず、
写真と見積りだけで保険金が支払われたケースが多かったと聞きました。
何度も言いますが、本当に台風の被害があり、火災保険を使えるよう提案する業者はとても親切な業者です。
しかし、経年劣化であり、保険会社が見に来ない事を利用して法外な見積りを作成するのはいかがなものかと思います。
私は古い考えなのか火災保険に限らず、「保険金を高く請求できる」とか聞いても実行する気になれません。
そういう事をすると、後で悪い事が自分に返ってくるような気がします。
この仕事にプライドを持ち、胸をはってこの仕事をしたいと思っています。
仕事は「感謝と恩返し」
半沢直樹のパクリですが、施主様、協力業者様だけでなく、保険会社の方、鑑定士さん、銀行さん、コンビニの店員さん・・・
皆さまに感謝と恩返し。
そんな感じで今後共宜しくお願い致します。
いいドラマでしたねー(笑)