時節柄、防水工事のご相談が増えてきました。
他府県の一般の方々、ごくまれに同業者さんからもかかってきます。今日もかかってきました。内容は、そのほとんどが施工後の不具合についてのものです。
特に多いのが
『施工後、防水層が浮いてきた。』
というものです。 フクレですね。
弊社は塗装と防水をやっているので分かるのですが、防水工事ほど下地に左右される工事はないのではないでしょうか。
なぜ浮いてきたか?と言うと、単純に密着工法で仕上げているからです。
狭いベランダや傷みの少ない下地であれば密着工法でも大丈夫ですが、ひかくてき築年数が経ってる建物の屋上など、広い面積に施工する場合に関して言えば、通気工法で仕上げなければなりません。
多くの場合、保護モルタル層の下に入ってる残留水分が、夏場の日差しによって温められ出ていこう、出ていこうとし膨れにつながる訳です。ですので冬場に施工して、夏に膨れだす。このパターンはよくあります。
たまに、インターネットを熟読した一般の方から『脱気筒(だっきとう)を付けていないから膨れたんですよね?』と聞かれる事がありますが、脱気筒は通気工法で威力を発揮するものであって、密着工法では一部分の面積にしか機能を発揮しません。
こちらは最近完成した防水工事の現場です。
上の写真はマンションの屋上で塩ビシート機械式固定工法、
下の写真は戸建て住宅でウレタン防水通気緩衝工法です。
上記の現場二つはそれぞれ工法も違いますが、共通点としまして下地と防水層の間に通気層を設けている防水の工法になります。
通気層を設けているからこそ、膨れが起きない、また揺れに強い工法ですので、割れが起きにくい。と施工業者、御施主様の両者がwinwinになる安心の工法だと言えます。
但し、欠点がないかと言えばそうではありません。
通気工法は施工費が高くなります。
感覚的に言うと、倍近くの価格になります。
偉そうなことを書いていますが、これに関しては自分自身苦い思い出があります。
かなり昔の話ですが、あるリフォーム屋さんの依頼でハイツの屋上を防水工事した時の事です。
元々は通気工法を提案していたのですが、担当者の方曰く、
『工事金額が高すぎる。なんとかなりませんか?』という話になり
『密着工法なら安くなりますよ。但し夏場に防水層が膨れる可能性がありますが・・・』と断りを入れ、密着工法で施工してしまったのです。
工事は無事完成しました。が、その年の夏に案の定、防水層が膨れ始めました。その時に打ち合わせをした担当者さんは既に退社しており、変わった担当者の方と話が通じず怒られるしかありませんでした。(そもそも提案したウチに全責任がありますが)
いずれにしましても、防水工事はそこに合った工法を提案すること。これは大事です。
安い工法であっても、 お金を払う方からすればキッチリした施工を望んでいる場合が多いですから、何か不具合が起きると怒るのは当たり前の事です。防水工事に関して言えば、それ以来予算に応じた施工というのは辞めにしました。
このあたりの防水工事に関しては、詳しくご説明をしたいので別サイトへ移行していきたいと思います。まだまだスカスカの中身がないサイトですが(笑)少しづつじっくりと育てていきますのでよろしければご覧ください。
防水工事専門サイト