シーラー塗装は、外壁塗装において極めて重要な工程になります。
シーラー塗装が無いと、外壁塗装の耐久性が悪くなるばかりか、施工不良の原因にもなってしまいます。
ただ、普通の人は外壁塗装の知識はそこまでないため、シーラー塗装と言われても何のことか分からないかもしれません。
ただ、外壁塗装について検討しているのであれば、ある程度の基礎知識は知っておいた方が無難です。
なぜなら、悪徳な業者は一般の方の知識がないことを利用してお金を請求してくるからです。
そこでここでは、あなたが悪徳業者から身を守るためにも、シーラー塗装について詳しく解説していきましょう。
目次
シーラー塗装とは?
まずは、シーラー塗装がどのようなものかを紹介していきます。
シーラーとは、外壁塗装における下塗り材の事を指します。
通常、外壁塗装は上塗り、中塗り、下塗りの3度塗りが基本です。
この下塗りでシーラーを塗ることを、シーラー塗装と呼びます。
シーラーと同じ役割を持つ塗料として、プライマーやフィラーと呼ばれるものもあります。
これらはすべて下塗りに使用される塗料ですが、その区別には明確な差がなく、違いを気にしすぎる必要はないと言えます。
一般的には、プライマーは下塗り剤全体をさすことが多いです。
これは、プライマーの語源が「最初の」という意味を持つ「primary(プライマリー)」だからです。
一方フィラーは、モルタルの下塗り材を指すことがほとんどです。
シーラー塗装は、塗装後の見た目に大きく影響するものではありません。
なぜなら、シーラー塗装は上塗りに使われる塗料で塗りつぶされてしまうからです。
ただ、それは見た目だけの話であり、あるのと無いのとでは外壁塗装の性能に大きな差を生んでしまいます。
シーラー塗装の役割
では、シーラー塗装は外壁塗装においてどのような役割を持っているのでしょう。
ここからは、シーラー塗装の役割を詳しく解説していきます。
外壁材と塗膜を密着させる
シーラー塗装の最大の役割は、外壁材と塗膜の密着性を高めることにあります。
基本的に外壁塗装の上塗りに使われる塗料は、シーラーの仕様を前提に作られています。
まず 、シーラー塗装をした上に塗り重ねていかないと、本来の力を発揮できません。
もし、シーラー塗装を省いて上塗り用の塗料を塗装しても、密着性が低くすぐに剥がれてしまいます。
塗装した直後は綺麗に見えるかもしれませんが、たった数年で剥がれ等の不具合が出てしまうのです。
塗料の耐用年数通りの耐久性を持たせるために、シーラー塗装は必須となります。
塗料の吸収を抑える
外壁に使われる建材は、窯業系サイディングやモルタルなど、水分が浸み込むものが広く使われています。
塗料は、そもそも液体の状態であるため、そのまま塗装すると外壁へと吸収されてしまうのです。
そこで、シーラー塗装で外壁全体をあらかじめコーティングすることで、塗料が外壁へ吸収されるのを防ぎます。
塗料が外壁に吸収されてしまうと、適切な塗膜の厚みを確保することができません。
外壁塗装というものは、塗料ごとに決められた厚みを確保することで、初めて設定どおりの性能を発揮します。
つまり、塗料も厚みが確保できないと、耐久性や付加された防カビ性能や防汚性能も発揮できないということです。
また、塗料が外壁に吸収される割合は一定ではありません。
外壁の傷み具合により、塗料を多く吸収する場所もあれば、あまり塗料が吸収されない場所もあります。
これは塗りムラの原因となり、見栄えに大きく影響します。
外壁材を補強する
外壁塗装に守られているとはいえ、外壁材も全くの無傷という訳ではありません。
外壁塗装を検討しているということは、新築から10年程度経過していることですから、経年劣化の症状もある程度見られると思います。
たとえば、細かな傷やひび割れは、時間が経った外壁には確実にみられる症状です。
この劣化した外壁材を補強するためにも、シーラー塗装は必要です。
細かな傷やひび割れにシーラーが入り込み、傷ついた外壁材を補強してくれます。
また、シーラーにも機能性が高いものが多くあり、それらを使用することで塗膜の機能を向上することができます。
たとえば、防カビ性能、防錆性能、遮熱性能などです。
このような機能的なシーラーを使用すれば、上塗りに使用する塗料の性能と相まって、強固に住宅を守ってくれるはずです。
シーラー塗装をしないとどうなる?
上記で説明した通り、シーラー塗装には多くの役割があります。
外壁塗装の品質を高めるために必須と言える工程で、完成時に見えないからと言って省略することはできません。
仮にシーラー塗装の工程を省略してしまうと、外壁塗装に多くの不具合が生じてしまいます。
まず、塗膜の耐久性が落ちてしまうため、想定より早く外壁塗装が劣化してしまいます。
一般的に外壁塗装は10年間は持つと言われますが、たった1、2年で剥がれてきたという事例もあるほどです。
さらに、シーラー塗装を省略すると色ムラの原因にもなります。
塗装した直後は綺麗に見えたとしても、数年で色褪せる部分が出てきてムラが目立ってくる恐れがあるのです。
数年で外壁塗装が劣化すると、結局塗り直しとなり、余計な費用がかかる可能性があります。
シーラー塗装にかかる費用も外壁塗装に必要なものなので、省略するなんてことはしないようにしてください。
シーラー塗装の塗り方
シーラー塗装には、上塗りで使用する塗料とは異なった材料を使用します。
とはいえ、シーラー塗装の塗り方も上塗りと同様で問題ありません。
塗装方法にはローラー工法と吹き付け工法があり、塗装する場面により工法が使い分けられています。
一般的なサイディングの住宅の場合なら、ローラー工法が一般的です。
しかし、どちらの工法を選択しても、正しい施工方法を守れば品質に違いはありません。
業者ごとに得意な工法も異なるので、塗り方についてはお任せしても大丈夫です。
信頼できる優良な塗装業者なら、最適な工法で施工してくれるはずです。
下塗りに使用するシーラーの選び方
下塗りに使用するシーラーには、大きく分けると水性タイプと油性タイプの2種類が存在します。
そして、どちらのタイプのシーラーを使用するかについては、上塗りに使用する塗料の種類によって決まってきます。
基本的には、油性塗料には油性タイプのシーラー、水性塗料には水性タイプのシーラーを使用します。
ただ、タイプによってシーラーの特性が異なることも事実です。
そのため、外壁の状況に応じて、塗料とシーラーを選択するのがベストといえます。
そこで、水性タイプと油性タイプ、それぞれのシーラーの特徴を紹介しておきましょう。
水性タイプのシーラー
水性タイプのシーラーは、水をベースに主成分が配合されています。
塗装後は水が蒸発することで、シーラーとしての力を発揮してくれます。
水性タイプのシーラーの特徴は、においが少なく引火性がありません。
塗料特有のにおいが少ないため、施工中に気分が悪くなるなどのリスクを低減することができます。
また、引火性もないことも、火災などの事故のリスク低減に役立ちます。
ただし水性タイプのシーラーは、劣化の激しい外壁には不向きとなります。
なぜなら、劣化の激しい塗料は水分を吸収しやすいため、水性タイプのシーラーを吸収しすぎてしまう場合があるからです。
シーラーが吸収されてしまうと、正しい下塗りの効果を発揮できなくなります。
油性タイプのシーラー
油性タイプのシーラーは、水の代わりに溶剤がベースとして使用されています。
水より揮発性の高い溶剤がベースなので、素早く乾燥してシーラーとしての効果を発揮します。
水性タイプのシーラーとは異なり、劣化した外壁でもそこまで吸収されません。
そのため、劣化の激しい外壁もしっかりとコーティングでき、外壁の状態を選ばず使用できます。
ただし、溶剤特有のにおいと引火性を持つため、取り扱いには注意が必要です。
機能性を持つシーラー
シーラーの中には、水性と油性の両方で機能性を持たせた商品も多く販売されています。
このようなシーラーを選択すれば、外壁の状態をより良好に保つことができるようになります。
たとえば、カチオンシーラーというものを選択すれば、陽イオンと陰イオンの相互作用で、より強固な塗膜を形成することができるようになります。
ヤニ止めシーラーを選択すれば、タバコのヤニから来る汚れやシミを防ぐことができます。
このように、塗膜の強化や汚れ防止もシーラーでできるため、塗装前に業者に相談してみてください。
悪徳業者はシーラー塗装を省略する恐れも
シーラー塗装で近年問題となっているのが、悪徳業者による手抜き工事です。
シーラー塗装は塗装完了後は見た目で分からないため、工程を省略して自分たちの利益を増やそうとするわけです。
もちろん、このような手抜き工事をされてしまっては、施工不良の原因となります。
悪徳業者から身を守る近道は、優良な塗装業者と悪徳業者の違いを知るのが一番でしょう。
優良業者の多くは地域密着で営業しており、地域のお得意様を多く持っているものです。
そのため、訪問営業などの過度な営業行為はしていません。
基本的に、突然やってくる訪問業者は怪しいと思って間違いないでしょう。
またシーラー塗装を含め、全ての工程で間違いのない施工をするためには、過度な割引はできないものです。
外壁塗装には適正価格があるため、それより明らかに安い場合、原材料や人件費を無理やり削っている可能性があります。
数社から見積もりを取ってみて、対応なども含めて比較検討すると、悪徳業者がどのようなものか分かってくると思います。
高品質な外壁塗装は永建工業にお任せください
高品質な外壁塗装を実現するには、優良業者に工事を依頼することが重要です。
どれだけ高性能な塗料を使っても、それに合ったシーラー塗装を施し、適正な工程を踏まなければ全く意味のない工事になってしまいます。
誠実な対応はもちろんですが、確かな技術力を持った業者に依頼すると確実です。
もし、大阪近郊で外壁塗装をご検討中なら、私達「永建工業」までご相談ください。
永建工業は、大阪近郊を中心に16年間営業を続けてきた、地域密着型の塗装専門店です。
長年培ってきた確かな技術と経験をもとに、あなたの住宅に合った高品質な塗装をご提案いたします。
お見積もりやご相談は無料で承りますので、お困りごとがあればなんでもお気軽にお問い合わせください。