最近、施工したお家で雨仕舞いが悪く外壁を傷めたケースをご紹介します。
雨仕舞いとは・・【雨水を入れない納まり】別の言い方をすれば【建物の中に雨水を入れない工夫】になります。
事例① 幕板のコーキング
下の画像はサイディングボードを1階から見上げて撮影したものになります。黄色く囲った部分をご覧頂くと分かるように2階に比べ1階のサイディングボードが傷んでいるのが分かります。
▼傷んでいるサイディングボード
原因はサイディングボードの裏に水が回ったことによる傷みです。
通常であれがサイディングボードの裏に水分が回ることなどほとんどありませんが、幕板の下部(赤矢印)にコーキングを塞いでいるため出口のなくなった雨水はサイディングボード内部に侵入したと思われます。
新築当初は幕板の上部にもコーキングを打っていたのですが、長年の経年により劣化。現在、幕板上部の防水機能はほとんどありません。
▼幕板上部
幕板下のコーキングは日に当たらないため劣化しなかったというわけです。サイディングの貼り方も直貼りだったため余計に傷んでいます。図にしてみました。
▼幕板概略図
幕板上部のコーキングが傷むのは仕方ありません。この場合は幕板下部にコーキングを入れてたことが問題でした。コーキングは打たずに下の隙間を開けておけば、雨水の流れをよくしここまでサイディングボードが傷まなかったでしょう。
事例② 破風、軒天の取り合い
こちらは破風と軒天の形状により軒天が傷んでいるケースです。黄色い矢印部分が口が開き隙間が出来ているのがお分かり頂けるでしょうか。
破風、軒天の貼り方が間違いで結果、軒天を傷めるケースとなってしまいました。
▼軒天が雨水を受けるカタチになっている。
図にしてみました。
左側の方が雨水の流れをよくして軒天に影響を与えないカタチとなっています。一方右側ですが、こちらも新築当初は隙間なくきっちりしていたと思うのですが、経年により少しずつ隙間ができてしまいました。現在では軒天のボードが雨水を受けるカタチになっています。
▼破風・軒天の概略図
この2つのケースはどちらも新築当初は問題がなかったケースです。それがだんだんと経年により傷んできました。一般の方では場所が場所だけに気づく方はほとんどいないでしょう。
いずれにしましても、起こったことはある意味仕方ありません。それよりも早めに対処することが、お家の寿命や費用の面でもいいかと思われます。